【和訳】FAERIE SOIRÉE - Melanie Martinez
4曲目は神秘的な夜に聴きたい一曲
FAERIE SOIRÉE
フェアリー・ソワレ
アーティスト
Melanie Martinez
収録アルバム
Portals
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
[原文:太字、訳文:通常]
Blue stars running down my forehead
蒼い星々が私の額を流れる
Cold wings fluttering and moving
凍える翼ははためいて動く
Mushrooms everywhere I’m turning
曲がるありとあらゆるところにキノコたちが
Laced with love, intensive grooving
愛を加え混ぜて、感じる激しい快楽
They said, they said
彼らは言った、彼らは言った
I know how to make you go crazy everyday
毎日あなたを狂わせる方法を知ってるって
Tease your mind and trick you, you really want to stay
心を焦らせてあなたを欺く、本当にここに残りたいの?
I know the way to make you lose your pace, your trace, your trace
あなたのペースや痕跡を奪う方法を知ってるわ
If you wanna ride with the magic
もし魔法を感じたいのなら
Lose sight of the gravity of weight
重荷と重力の世界を捨てることね
Lips of sugar, I'm breathing pheromones again
甘い唇からまたフェロモンを吐き出している
Hands are tied and miranda rights don't mean nothin
手は縛られて黙秘権さえ無意味
Led me astray to the faerie soirée
私を妖精の夜会へと導き迷わせた
Alone, alone
独りで、独りで
And now I wanna ride with the magic
今はもう魔法を感じていたいの
Lose sight of the gravity of home
帰る場所の重力の世界を捨てて
Blue stars running down my forehead
蒼い星々が私の額を流れる
Cold wings fluttering and moving
凍える翼ははためいて動く
Mushrooms everywhere I’m turning
曲がるありとあらゆるところにキノコたちが
Laced with love, intensive grooving
愛を加え混ぜて、感じる激しい快楽
They said, they said
彼らは言った、彼らは言った
They said
彼らは言ったわ
Somewhere on Venus, they're searching for me
金星のどこかで彼らは私を捜している
While I'm covered in muck from the earth and the sea
私は大地と海の穢れに塗れたまま
Scratching this carcass like dogs with the fleas
ノミの集った犬のように この亡骸を掻きむしっている
I keep leaning to dying in all of my dreams
夢の中で死ぬことに惹かれ続けている
Gather me, all of we, everyone
私を、私たち全てを、みんなを集めて
I've been the boys and the girls
私は男の子や女の子
And everyone in between
それ以外にもあらゆる人になった
Gather me, all of we, everyone
私を、私たち全てを、みんなを集めて
I've been the boys and the girls
私は男の子や女の子
And everyone in between
それ以外にもあらゆる人になった
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Faerie Soirée = 妖精の夜会
soiréeはフランス語の単語で夜に行われるパーティーなどの集い、夜会を意味します
マジックマッシュルームによる幻覚をモチーフに、現実からの逃避行として不思議な妖精たちの夜会へと迷い込む歌
Mushrooms everywhere I’m turning
曲がるありとあらゆるところにキノコたちが
Laced with love, intensive grooving愛を加え混ぜて、感じる激しい快楽
このあたりは特にドラッグとしてのキノコが強く描写されています
They said, they said
彼らは言った、彼らは言った
I know how to make you go crazy everyday
毎日あなたを狂わせる方法を知ってるって
Tease your mind and trick you, you really want to stay
心を焦らせてあなたを欺く、本当にここに残りたいの?
どこからか聞こえてくる「彼ら」の声
呟く内容は不穏で怪しさを感じます
同じ妖精でも綴りが異なる表現があり、fairyとしての妖精は美しく人間に友好的な存在として描かれますが、対してfaerieは邪悪で問題を引き起こす存在だとされています
そしてこの曲のタイトルはFaerie Soirée
If you wanna ride with the magic
もし魔法を感じたいのなら
Lose sight of the gravity of weight重荷と重力の世界を捨てることね
魔法の魅力を感じるには肩に背負った重荷を下ろしてリラックスする必要がありそうです
ここでの重力の世界は、ふわふわとした魔法の世界と対照的に、質量がある現実世界を意味していると解釈しました
Hands are tied and miranda rights don't mean nothin
手は縛られて黙秘権さえも無意味
miranda rightsはmiranda warningのことを指します
miranda warningは日本語でそのままミランダ警告とも訳せますが、簡単に言うと逮捕時に黙秘権があることを告知する義務のこと
その告知があっても黙秘権の使用に意味がない、ということでわかりやすく黙秘権さえも意味がないと意訳しました
歌詞としては現実逃避で訪れた魔法の世界(トリップ、幻覚)でコントロールを失っている様子の描写のように捉えられます
And now I wanna ride with the magic
今はもう魔法を感じていたいの
Lose sight of the gravity of home帰る場所の重力の世界を捨てて
先ほどは重力の世界を捨てる、と言う歌詞がありましたが、ここでは家の重力の世界
つまり帰るべき現実世界を捨ててしまう、ということが書かれています
より深く幻覚への逃避行へと呑まれていきます
Somewhere on Venus, they're searching for me
金星のどこかで彼らは私を捜している
この部分(アウトロ)からは曲の雰囲気が一気に変わります
どちらかというと次の曲に合わせた曲調となっていて、トランジション的な役割を持っています
Scratching this carcass like dogs with the fleas
ノミの集った犬のように この亡骸を掻きむしっている
古い死んだ肉体を脱ぎ捨てようと掻きむしる姿
私はDEATHのMVで、死んだクライベイビーの肉体から繋がった緒を千切ろうと、力いっぱい羽ばたき飛び上がるワンシーンを連想しました
Gather me, all of we, everyone
私を、私たち全てを、みんなを集めて
I've been the boys and the girls
私は男の子や女の子
And everyone in between
それ以外にもあらゆる人になった
このアルバムのテーマは生と死、そして輪廻転生
ここの歌詞からは輪廻転生の中でありとあらゆる存在としての命を経たことがわかります
男女という性別二元論に基づいた2つのジェンダーのみならず、それ以外のあらゆる存在(ジェンダー)も経験した、と
余談ですがメラニーはプロナウン(本人が希望する彼、彼女のような代名詞)として、一般的に女性に使われるshe/herのほか、ジェンダーニュートラルな代名詞they/themも使用します
メラニー自身のジェンダーアイデンティティについては深く触れられたことはありませんが、メラニーのジェンダーの捉えた方が反映された歌詞なのではないかと感じました
全体を通してファンタジックな雰囲気が特徴的な今アルバムですが、その中でも秀でて非現実的な気持ちになる一曲です
静かな夜に1人で聴けば、あなたも妖精の夜会が開かれるキノコ群へと迷い込めるかもしれません🍄🧚♂️