【和訳】Chosen Family - Rina Sawayama
今回の曲は、私にとって少し特別です
🏳️🌈
Chosen Family
チョーズン・ファミリー
アーティスト
Rina Sawayama
収録アルバム
Chosen Family (シングル)
SAWAYAMA
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
[原文:太字、訳文:通常]
Where do I belong?
私の居場所はどこ?
Tell me your story and I'll tell you mine
あなたのストーリーを聞かせてくれたら私も話すね
I'm all ears, take your time, we've got all night
全身で聴くから、焦らないで、夜は長いんだから
Show me the rivers crossed, the mountains scaled
教えて あなたが渡ってきた川や、登ってきた山を
Show me who made you walk all the way here
誰が今のあなたを形作ったのかを教えて
Ooh
あぁ
Settle down, put your bags down
腰を下ろして、鞄も置いて
Ooh
あぁ
You're alright now
ここは安全な場所だから
We don't need to be related to relate
繋がりを持つために血の繋がりなんていらない
We don't need to share genes or a surname
遺伝子や苗字を分かち合ってなくたっていいんだ
You are, you are
それでもあなたは
My chosen, chosen family
私の選ばれた家族だから
So what if we don't look the same?
私たちが似てないからって何が問題?
We been going through the same thing, yeah
私たちは同じ道を辿ってきたんだ
You are, you are
あなたは私の
My chosen, chosen family
私の選ばれた家族なんだから
Hand me a pen and I'll rewrite the pain
ペンを貸して、あなたの苦しみを書き直してあげる
When you're ready, we'll turn the page together
準備ができたら一緒に次のページへと進もう
Open a bottle, it's time we celebrate
ボトルを開けて、お祝いしよう
Who you were, who you are
過去のあなたや、今ここにいるあなたのことを
We're one and the same, yeah, yeah
私たちは一つで同じなんだ
We don't need to be related to relate
繋がりを持つために血の繋がりなんていらない
We don't need to share genes or a surname
遺伝子や苗字を分かち合ってなくたっていいんだ
You are, you are
それでもあなたは
My chosen, chosen family
私の選ばれた家族だから
So what if we don't look the same?
私たちが似てないからって何が問題?
We been going through the same thing, yeah
私たちは同じ道を辿ってきたんだ
You are, you are
あなたは私の
My chosen, chosen family
私の選ばれた家族なんだから
I chose you
私はあなたを選び
You chose me
あなたは私を選んだ
I chose (Chosen family)
私は選んだ (選ばれた家族)
I chose you
私はあなたを選び
You chose me
あなたは私を選んだ
We're alright now
私たちはもう大丈夫
We don't need to be related to relate
繋がりを持つために血の繋がりなんていらない
We don't need to share genes or a surname
遺伝子や苗字を分かち合ってなくたっていいんだ
You are, you are
それでもあなたは
My chosen, chosen family
私の選ばれた家族だから
So what if we don't look the same?
私たちが似てないからって何が問題?
We been going through the same thing, yeah
私たちは同じ道を辿ってきたんだ
You are, you are
あなたは私の
My chosen, chosen family
私の選ばれた家族なんだから
We don't need to be related to relate
繋がりを持つために血の繋がりなんていらない
We don't need to share genes or a surname
遺伝子や苗字を分かち合ってなくたっていいんだ
You are, you are
それでもあなたは
My chosen, chosen family
私の選ばれた家族だから
So what if we don't look the same?
私たちが似てないからって何が問題?
We been going through the same thing, yeah
私たちは同じ道を辿ってきたんだ
You are, you are
あなたは私の
My chosen, chosen family
私の選ばれた家族なんだから
We don't need to be related to relate
繋がりを持つために血の繋がりなんていらない
We don't need to share genes or a surname
遺伝子や苗字を分かち合ってなくたっていいんだ
You are, you are
それでもあなたは
My chosen, chosen family
私の選ばれた家族だから
So what if we don't look the same?
私たちが似てないからって何が問題?
We been going through the same thing, yeah
私たちは同じ道を辿ってきたんだ
You are, you are
あなたは私の
My chosen, chosen family
私の選ばれた家族なんだから
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
chosen family = 選ばれた家族
家族というのは基本的にどの家庭に生まれたかで決まります
でもその家族があなたが人生を共に過ごすべき相手だとは限りません
家族を自分で選ぶという文化はLGBTQIA+コミュニティではごく一般的なことなんですね
彼らは自分のセクシャリティやジェンダーアイデンティティを公表することで、血縁関係のある家族から絶縁、拒絶されることが珍しくなかったから
そうして彼らは似たような境遇の仲間たちと出会い、それを新たな家族として人生を共にするんです
LGBTQIA+コミュニティの家族を作る文化でも、わかりやすい例が「ハウス」です
クィアコミュニティには、「ボール(舞踏会)」という、衣装の美しさや華麗なダンス(ヴォーギング)を披露して競い合う独特な文化があります
主にナイトクラブなどで行われるのですが、この文化はのちにメインストリームにも大きな影響を与えました
ヴォーギングを取り入れたマドンナのVogue
ボールでは、チームでの参加が基本でした
そのチームが「ハウス」です
主に黒人系、ラテン系などの有色人種のメンバーで形成されることの多かったこのハウスは、セクシャルマイノリティであることや、有色人種であることで社会や血の繋がった家族から見捨てられた彼らの新たな家族の形でした
ドラマ『ポーズ』より、ハウス・オブ・エバンジェリスタの3人
ただボールへの出場時と練習のときだけではなく、実際に一つ屋根の下に共に暮らし、同じ食事を分かち合い、同じ部屋で眠る
例え血が繋がっていなくても、戸籍上の苗字が違っていても、彼らは紛れもない本当の家族です
もしかしたら、ただ血が繋がっているだけで一緒にいる家族よりも強い絆があったとも言えるかもしれません
現代ではカミングアウト後も血縁関係のある家族から受け入れられるということが普通になりつつあります
それでもそれだけで自分の家族を捨てるような人は今もたくさんいるし、家族から受け入れられたから他に家族はいらないということではなく、今もハウス文化は続いています
血を結ぶ家族から受け入れらていても、セクシャルマイノリティであることの苦悩を分かち合えるのは当事者の家族だけですからね
Show me the rivers crossed, the mountains scaled
教えて あなたが渡ってきた川や、登ってきた山を
川や山は、セクシャルマイノリティとして生きることで対面してきた苦難を表しています
リナ曰く、この曲は実際にクィアコミュニティにとってのセーフスペースがあることを想像して書かれたのですが、リナの中でその場所は渓谷や川に囲まれ、優しいそよ風が吹き、遠くで馬の嘶きが聞こえる自然の中のキャビンなんだそう
世界中から人々がこの場所へとやってくる
そして苦労の末たどり着いたそのキャビンでは、同じ経験をしてきた仲間たちに囲まれ、真の自分自身でいられる、そんな場所のイメージなんです
なんだか素敵ですよね、自分で書いてて少し泣きそうになりました…
リナは「選ばれた家族」というテーマを用いて、彼女自身も一部であるクィアコミュニティへの感謝と愛をこの曲で綴っています
ここはあなたが安心できるセーフスペースなんだよ、というメッセージが込められているんですね
この記事を書いている私も、リナと同じくこのクィアコミュニティの一員です
家族からは受け入れられていますが、それでも全てを理解してもらえるわけではないし(仕方ないことではありますが)、私たちを扱った政治問題などを見てると、とてつもなく孤独で不安な気持ちに襲われることがあるんです
肉体的に身近にはいませんが、私はインターネットで出会った同じ境遇の仲間たちとの出会いに感謝していて、その気持ちはまさに「選ばれた家族」への気持ちと同じなんだと思います
リナが綴ってくれたこの想いは、世界にいる誰かの救い、セーフスペースになっているんですね