【和訳】XS - Rina Sawayama
今回は物を作っては捨てを繰り返す資本主義社会に訴えかける一曲
XS
アーティスト
Rina Sawayama
収録アルバム
XS (シングル)
SAWAYAMA
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
[原文:太字、訳文:通常]
More
もっと
Hey, I want it all, don't have to choose
ねぇ、それ全部頂戴、選ぶ必要なんかない
And when the heart wants what it wants, what can I do?
心が欲しがるなら抗えないでしょ?
So I'll take that one, that one, yeah, that one too
だからあれも、それも、これも頂戴
Luxury and opulence
贅沢で豪華絢爛
Cartier set, Tesla Xs
カルティエのセット、テスラモデルX
Calabasas, I deserve it
カラバサスの暮らし、私に相応しい
Call me crazy, call me selfish
イカれてるとか、自分勝手とか好きに言えばいい
I'm the baddest and I'm worth it
私は最高に悪い女でその価値があるんだから
Gimme just a little bit (More), little bit of (Excess)
もうちょっと頂戴 (もっと)、あと少しの (贅沢を)
Oh me, oh my
あらまぁ
I don't wanna hear (No, no),
聞きたくない (ノー、ノー)
only want a (Yes, yes)
あらまぁ
Gimme just a little bit (XS, XS)
もう少し頂戴 (XS, XS)
Oh me, oh my
あらまぁ
Gimme just a little bit (More), little bit of (Excess)
もうちょっと頂戴 (もっと)、あと少しの (贅沢を)
Gimme just a little bit (More), little bit of (Excess)
もうちょっと頂戴 (もっと)、あと少しの (贅沢を)
Oh me, oh my
あらまぁ
I don't wanna hear (No, no),
聞きたくない (ノー、ノーなんて)、
only want a (Yes, yes)
あらまぁ
Gimme just a little bit (XS, XS)
もう少し頂戴 (XS, XS)
Oh me, oh my
あらまぁ
Gimme just a little bit (More), little bit of (Excess)
もうちょっと頂戴 (もっと)、あと少しの (贅沢を)
Flex, when all that's left is immaterial
自慢ね、あとに残るものに価値なんてないのに
And the price we paid is unbelievable
信じられないほど大きな代償を払って
And I'm taking in as much as I can hold
私はただ持てるだけ抱えて続けてる
Well, here are the things you'll never know
あなたが全く知らないこと教えてあげる
Make me less so I want more (More)
私から奪うほど私は欲しくなる (もっと)
Bought a zip code at the mall
ショッピングモールを住所ごと買っちゃった
Call me crazy, call me selfish
イカれてるとか、自分勝手とか好きに言えばいい
Say I'm neither, would you believe her?
私はそんな人間じゃないって言っても信じないでしょ?
Gimme just a little bit (More), little bit of (Excess)
もうちょっと頂戴 (もっと)、あと少しの (贅沢を)
Oh me, oh my
あらまぁ
I don't wanna hear (No, no),
聞きたくない (ノー、ノー)
only want a (Yes, yes)
あらまぁ
Gimme just a little bit (XS, XS)
もう少し頂戴 (XS, XS)
Oh me, oh my
あらまぁ
Gimme just a little bit (More), little bit of (Excess)
もうちょっと頂戴 (もっと)、あと少しの (贅沢を)
Oh me, oh my, where did it go awry?
あぁもう、どこで間違えたの?
When all this time, heaven was in our eyes
これまでずっと目に映っていたのは天国だったはず
So, say goodnight, forget about it 'til the end of time
だからおやすみって眠って、終焉が来るまで忘れるの
Yeah, I want more, more, more, more, more
もっともっともっともっともっと欲しいの
More, more, more, more, more
もっともっともっともっともっと
Gimme just a little bit (More), little bit of (Excess)
もうちょっと頂戴 (もっと)、あと少しの (贅沢を)
Oh me, oh my
あらまぁ
I don't wanna hear (No, no),
聞きたくない (ノー、ノー)
only want a (Yes, yes)
あらまぁ
Gimme just a little bit
もう少し頂戴
Oh me, oh my
あらまぁ
Gimme just a little bit (More), little bit of (Excess)
もうちょっと頂戴 (もっと)、あと少しの(贅沢を)
(I need it now)
(今すぐ欲しいの)
Gimme just a little bit (More), little bit of (give me just a little more)
もうちょっと頂戴 (もっと)、あと少しの (もう少しだけ頂戴)
Oh me, oh my
あらまぁ
I don't wanna hear (No, no),
聞きたくない (ノー、ノーなんて)、
only want a (Yes, yes)
(I don't wanna hear no, woah)
(ノーなんて聞きたくない)
Oh me, oh my
あらまぁ
Gimme just a little bit (give me just a little more)
もう少し頂戴 (あと少しだけ頂戴)
Oh me, oh my
あらまぁ
Gimme just a little bit (give me just a little more)
もうちょっと頂戴 (あと少しだけ頂戴)
Bit more (XS, XS)
もう少し (XS, XS)
A little bit more (XS, XS)
もう少しだけ (XS, XS)
A little bit more (XS, XS)
もう少しだけ (XS, XS)
More, yeah, yeah
もっと頂戴
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
Excess=過剰 、やりすぎ (和訳では贅沢と解釈しています)
excessの表記が変わってXSなんですね〜
Cartier set, Tesla Xs
カルティエのセット、テスラモデルX
Calabasas, I deserve itカラバサスの暮らし、私に相応しい
カルティエは高級ジュエリーショップ、テスラのモデルXは高級車
そしてカラバサスはロサンゼルスの高級住宅地です
カーダシアン一家が住んでいた、と言えばどれほどの場所か伝わるでしょうか…
セレーナ・ゴメス、マイリー・サイラスなども住んでおり、ご近所さんは有名人ばっかり!
And the price we paid is unbelievable
信じられないほど大きな代償を払って
And I'm taking in as much as I can hold私はただ持てるだけ抱えて続けてる
ここでの「私」=「地球」
資本主義に振り回され、抱えきれる以上の物を抱えている地球を表しています
そして信じられない大きな代償、は物に溢れた資本主義によって汚されている地球環境
必要なものは揃っているのに、さらに上のものを欲する故、あって当たり前だったものが破壊され始めてきていると考えると皮肉ですね…
When all this time, heaven was in our eyes
これまでずっと目に映っていたのは天国だったはず
So, say goodnight, forget about it 'til the end of timeだからおやすみって眠って、終焉が来るまで忘れるの
ここでも、美しい地球が破壊されている様子が描かれています
私たちはそれをわかっているけど、贅沢の追求を選び、社会はおやすみと言って目を瞑り、知らないふりをしています
Make me less so I want more (More)
私から奪うほど私は欲しくなる (もっと)
これは社会が女性を蔑ろにしていながら、マーケティングでは集中的に女性を狙っていることを表現しています
賃金での男女格差は深刻な問題で、その裏で消費者として搾取されているのは賃金で優遇されている男性ではなく弱者である女性
「〜女性にぴったり」「女性をターゲットに」とマーケティングで謳い、女性が何かするたび「〇〇女子」というレッテルを貼られる
当たり前のように行われていることですが、異常ですよね
MV
MVでは、リナはテレビショッピングチャンネル(QVCのパロディ)のプレゼンターを務める女性ロボットと、製品の工場のもとで虐待されている謎の生物を演じています
地下に繋がれ、暴力的に扱われるその生き物から採取される黄金の液体 RINA Water
この液体は、MVでは細胞の活性化、肌の若返りなどの効果がある謎の栄養ドリンクのように描かれています(カブトガニの血っぽいなと思いました)が、実は現実で販売されている高級飲料水のボトルのメタファーだとか
地球から、自然から汲み取られた命の水を人工のボトルに詰め、元は代償なんて必要のないはずのものを高級品のように見せかけ、購入者を搾取する様子を表現しています
地下で虐げられている謎の怪物は、資本主義のもとボロボロになってゆく地球を表しているんです
商品をパフォーマンス中、リナが演じるロボットは他2人と共にエナジー全開で踊りますが、途中で自分がやっていることの異常さに気付きます
そして番組を妨害しようとしたところ他2人にボトルの液体をかけられ、ショートを起こしてしまうリナ
番組をめちゃくちゃにしてしまったロボットのリナは、怪しげな液体のボトルのように無残に捨てられ、彼女もまた資本主義の犠牲となってしまうのでした
社会に疑問を投げかける深いメッセージを、メタファーを用いてユーモラスな世界観で描いていて、本当に素晴らしいMVです…!
そのほかの小ネタとしては、
・冒頭で流れているのはリナの別の楽曲 STFU!
・番組のロゴで判明する番組名 RINA TV はリナのYouTubeチャンネルの個人ビデオシリーズのタイトル
・ショッピングチャンネルの電話番号はリナのEP RINA に収録されている曲のタイトル、10-20-40 になっている
・番組で下に表示されているレビューメッセージは、レディー・ガガによるミームにもなった有名なセリフになっている (「アメリカン・ホラー・ストーリー:ホテル」のインタビューより)
・赤いスーツの女性プレゼンターを演じたメリッサ・ハーツェルは、実際にテレビショッピングのプレゼンターをしたことがある
などなど…!
他にも2本のMVを2日で撮影したという驚きの事実や、当日はスタッフ2人のバースデーでお祝いをした、などのキュートなエピソードが紹介されている、公式の撮影裏公開動画はこちら!